1981年以前に建てられた病院、診療所の建物は、耐震診断及び耐震補強工事をしなければ増築はできません。
1978年の宮城県沖地震が起こったのを機に1981年に建築基準法の構造基準が改正されました。
これらは、震度5程度の中地震に対しては、 建物の仕上げ、設備に損傷を与えない。
関東大震災級の震度6程度の大地震に対しては、倒壊を防ぎ圧死者を出さない。
という基準で構造設計をしなくてはならない様に変更された、という内容です。
逆にいうと、1981年の建物はこれらの基準では設計されていない。
ということです。
この1981年の法律改正以降に建てられた建物を新耐震建物、それ以前のものを旧耐震建物と一般に呼ばれています。
阪神・淡路大震災では、旧耐震(新耐震前)建物に、倒壊などの大きな被害が見られました。
平成17年までは、旧耐震の建物であっても、構造的に影響を及ぼさない方法で増築すれば、建物の増築申請は実質認められていましたが、17年の法改正以降は既存建物が耐震診断、耐震補強によって安全であると示めさなければ、増築できなくなりました。
また、耐震診断・耐震補強をした場合でも、既存建物の床面積の1/2までしか増築できなくなりました。
いずれにしろ、1981年以前に建てられた建物は大規模地震によって倒壊する可能性がありますので、まずは、耐震診断を行い、必要であれば、耐震補強を行う様にしてください。